宇都宮市北西部に位置する古賀志山の麓にある「フルーツパーク古賀志」は、4世代に渡って受け継がれてきた果樹園です。約5ヘクタールある広大な敷地では、梨、ぶどう、りんごを栽培し、今の時期はちょうど梨が旬を迎えていました。8月中旬~10月下旬にかけて、幸水、豊水、あきづき、新高、にっこりの5品種を収穫しています。
「初代の曾祖父が、昭和初期に梨を植えたのが当園の始まりですね。その後、祖父が梨組合のベースを築き、宇都宮市内で梨栽培が普及したようです。ぶどうとりんごは、現社長の父の代からスタートしました」と話すのは、現在事業の中心を担っている4代目の大柿丈彦(おおがき・たけひこ)さんです。「安心して食べられる果物づくり」を信条に、家族やスタッフと協力し合いながら果樹栽培に励んでいます。
「持続可能な農業」を目指し、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理「GAP(ギャップ)」の認証取得にも積極的に取り組み、2021年に「とちぎGAP」を取得しました。
「果物は、成木になるまで5~10年ほどの月日がかかります。さらに大雨や台風といった予測できない自然災害の対策も不可欠です。前年と同等、もしくはそれ以上の品質をキープするには、『当たり前のことをきちんとやる』ということを大切にしていますね。通常の作業に加え、よりよい品質、作業効率の向上を目指すため、最新の栽培方法も少しずつ取り入れています」と話す大柿さん。歴史を守りながらも常に前進し続ける姿勢が、おいしい梨づくりにつながっているようです。
取材時は幸水の収穫が終了し、園内には大きな豊水の実がなっていました。大柿さんは、「幸水が最も親しまれている品種だと思いますが、ほかの品種も個性があるのでぜひ味わってみてほしいです。豊水は酸味と甘みのバランスが良く、あきづきは酸味が少なく食感がとてもいいんです。新高はしっかりした食感で風味が良く、日持ちするのが特徴。栃木県オリジナル品種のにっこりは大玉で、甘さ、食感において申し分ない品種ですよ」と話します。
今年は例年に比べ、収穫時期が10日ほど早まっているそう。いずれの品種も順次直売所に並ぶので、食べ比べてみるのがおすすめです。通常ならフルーツ狩りも楽しめますが、今は感染症対策のためお休み中だそうです。
直売所は農園から数100m離れた場所にあります。店頭には見事な豊水が並んでいました。
隣に選果場があり、ベストな状態で収穫したものを提供しています。色が濃くなっているものが食べごろなのだとか。大ぶりで瑞々しい果実は甘みがたっぷり! 採れたての果物を購入できるのが直売所の魅力ですね。
おいしい食べ方を聞くと、「収穫したものを早めに食べていただくのが一番ですね! 冷蔵庫で3時間ほど冷やしてから食べてみてください。できるだけ日持ちさせたい場合は、味は若干落ちますが冷蔵庫に入れておけば持ちますよ」と教えていただきました。
この日は雨でしたが、次から次へと訪れるお客様の姿が。毎年この時期を楽しみにしてくれているお客様の存在が励みになっているそう。「喜んでいただけることが何よりもうれしいですね」と話してくれました。
同園の幸水、りんごを使ったジュースも販売しています。
こちらで収穫した果物やジュースは、下記の通販サイトでも購入できます。この時期ならではの旬の味覚を、ぜひ味わってみてください♪
新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況や、国や県等の不要不急の外出自粛要請を踏まえ、県外・県内の移動については慎重な判断をお願いいたします。
施設を訪れる際には、基本的な感染防止対策の徹底に御協力いただきますようお願いいたします。
【所在地】栃木県宇都宮市古賀志町286
【摘み取り期間】8月中旬~10月下旬(天候により変動あり)
【開園時間】9:00~16:30(直売所のみ営業)
※現在フルーツ狩りは休止中です
【休園日】期間中は無休(天候により不定休あり)
【通販サイト】https://fp-kogashi.com/
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撮影日:2021/9/1
撮影地:栃木県宇都宮市古賀志町286
撮影MEMO:フルーツパーク古賀志
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