この日は、農村わくわくスマホラリーのスポットでもあり、市内唯一の和紙工房「和紙の里」へ行ってきました。
思わしくない天気でしたが、目的地がある那須烏山市に向かう途中に見えたモヤのかかった山々は、なんだか神秘的でした。
「和紙の里」では、烏山和紙の代表・程村紙(ほどむらし)という厚くて丈夫な和紙をつくっています!程村紙は文化庁「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」にも選ばれています。
和紙づくりは農家さんの冬仕事。作り手が減り、今ではここだけになってしまったそうです。
「和紙の里」は、今でも伝統的な製法である手漉(てすき)による「手漉和紙」づくりが行われています。
和紙は、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)と呼ばれる木などを原料としていますが、烏山和紙を作る「和紙の里」では日本でもっとも優良とされる那須楮を使っています。
この楮が和紙になるまで、早くても1週間はかかるそうで、そんな楮がどうやって紙になっていくのか、工場を覗かせていただきました!
工場では職人さんが黙々と作業をされていました。
楮を煮出して柔らかくした後に「塵取り」と言って繊維に付いた塵や質のよくない繊維を手作業で取っていきます。手作業なので、根気が必要です。
年中冷たい水仕事……見ているだけでも手がかじかんできました(ガクガク)
塵取りのあとは繊維を細かく砕いて、トロロアオイと呼ばれる植物の根から抽出した「のり」を混ぜます。この「のり」が和紙の質には欠かせないそうです。
そしてフネと呼ばれる大きな容器のなかで攪拌(かくはん)して、繊維をすくって和紙を作っていきます。
楮と「のり」の分量は、その日の気温によって変わってくるそうで、
「和紙を製品として一定の質を保ち出荷できるまでには、毎日漉いたとしても10年でもどうか……」
と話してくれました。
物によりますが、1日に漉けるのは職人さんでも30〜100枚が限度とか。……職人さん凄すぎます!
漉いたあとも、ゴミなどがないかチェック。
ゴミを見つけたときは丁寧にピンセットで取り除きます。
こうして紙漉きが終わり、7〜8時間かけて水分を抜き、乾燥してやっと完成するのが和紙です。
無形文化財に指定されている和紙がこのような工程を経てつくられていたこと、とても勉強になりました。
現在では、紙としてだけの機能ではなく、形を変えてインテリアにもなっています。
本来の形も残しつつ、時代とともに形を変えて受け継いでいくことが大切なんですね。
烏山和紙に包まれた照明は、とても心地の良いあかりです。
きっと、職人さんが心を込めて漉いた和紙で作られているからですね😊
和紙の里さんでは、紙漉きの体験ができます!
冬場はできませんが、3月ごろから体験可能で、オススメは夏。お水が気持ち良いそうです。
来年は体験に来ようかな~
――――――
撮影日:2020/11/25
撮影地:栃木県那須烏山市小原沢548
撮影MEMO:和紙の里
――――――