艶やかなロウバイの花が春を告げる「上永野 蝋梅の里」

冬から春にかけ、まるで蝋細工のような光沢を放ち、梅によく似た黄色い花を咲かせるロウバイ。花の少ない冬の季節に、いち早く春の訪れを告げる花として古くから人々に親しまれてきました。
4,000坪の園内に約5,000株のロウバイがある鹿沼市の「上永野 蝋梅の里」では、11月から3月まで4種のロウバイを鑑賞できます。

寒い時期にもかかわらず、美しい花と甘い香りで人々の心を豊かにしてくれるロウバイに魅せられ、25年前に日本中を巡って研究し尽くしたというオーナーの大貫孝之さん。ロウバイをたくさんの人に楽しんでもらいたいと、自身の地元である鹿沼市に「上永野 蝋梅の里」をオープンし、今年で13年目になるそうです。

「もともとロウバイは、江戸時代に蕾を煎じて飲む漢方薬として水戸藩主が輸入してきたものだったそうです。その種を神社、仏閣、武家屋敷などに植えたことで、日本に定着しました」と教えてくれました。
「当園では中国から伝わる原種をはじめ、基本種、素心、満月の4種を観賞できます。品種によって開花のタイミングが異なるため、満開の時期は明言できませんが、今年は1月後半にもなれば遅咲きの品種も見頃になると思いますよ」と大貫さん。
長期間にわたって楽しめるのはうれしいですね。来園者の中には蕾の時期から何度も訪れ、開花までの過程を写真に記録するリピーターもいるのだそう!

こちらが中国から伝わったという「原種(唐蝋梅・倭蝋梅)」で、開花時期は2月から3月。花弁が細く、中心部が深紅色なのが特徴です。

「基本種(和蝋梅)」は中心部が暗紫色なのが特徴。開花時期は1月から3月だそう。
国内ではなかなか見ることができない貴重な品種なのだとか!

「素心」は花弁も中央部も、透き通るようなレモンイエロー色です。花弁が細く、先程の2種に比べると可愛らしい印象です。開花時期は12月から3月まで。

開花時期が11月から3月までと、蝋梅の中で一番長く開花している「満月」は、その名の通り丸い花弁に濃い黄色が特徴です。訪れた時には満開の木もありました。

満月には「日本一の巨木」、「樹齢120年」と掲げられているものも!
4種を見比べてみると各々の特徴がよく分かりますが、ロウバイは「原種に戻っていく」性質があるそうで、徐々に見た目が原種に近くなっていくとのこと。
またロウバイの種は枝から自然に落下しないため、受験シーズンには“落ちない種”としてお守り代わりに摘んでいく学生さんも多いそうですよ!

里山を望む景観の中、蝋梅の甘い香りが漂う園内で淑やかな黄色いを見ていると、昔話の世界にいるような気分に。時間が経つのを忘れてしまいそうです!

入口付近にはお土産処もあり、地元の農産物やオリジナル商品の「蝋梅の香水」なども販売されていました。

こちらのロウバイは3月中旬まで楽しむことができるそうです。コロナ禍の自粛期間が明けたら、気分転換に出かけてみてはいかがでしょうか♪

――――――
撮影日:2021/01/21
撮影地:栃木県鹿沼市上永野273(永野小学校の裏側)
撮影MEMO:上永野 蝋梅の里
――――――

最新のブログ記事