ばったり、懐かしい人に会いました。
古谷慶一さん。
大田原市で米、麦、大豆、そば、うどなどを生産している専業農家。
「久しぶりだなあ。今、有機農業やってるんだよ。自家製の小麦とそばで乾麺を作って売っているんだ」
古谷さんと初めて会ったのは16年くらい前だったでしょうか。
青々と広がる田んぼ、急に背丈が伸び始めたうどの畑を眺めながら、あぜ道に腰を降ろして熱心に農業を語る古谷さんの姿をよく覚えています。
はじめはちょっと怖そうに見えたけれど、本当は親しみやすくて、まっすぐな人。
「5,568って何の数字か分かる?」
・・・何ですか?
「田んぼの棲む生物の種類なんだよ。たくさんの生き物が環境を、農業を、そして我々の命を支えている。そういう環境をずっと守っていきたいと思って有機農業を始めたんだよね」
有機農業はとても大変。
農薬を使わない農法の難しさ。家族や周囲の理解。経営として成り立たせるためのノウハウ。
昔から超人のように働く人ですが、栽培面積を維持しながら、完全に有機農業に切り替えて、しかも、6次産業化にまで取り組んでいるとは。
「ところで、うちの十割そばの乾麺、一度食べてみてよ。十割そばの乾麺を加工してくれる企業ってなかなか無いんだぞ。ようやく探して、連絡したらあっさり断られたんだけど、すぐに高速を4時間飛ばして掛け合いに行ったら、思いを理解してくれたんだよね」
早速、古谷さんの「十割そば」(乾麺@500円)を手に入れました。(写真向かって左がそば。右2つはうどん@300円。)
「茹ですぎないこと。そば湯が濃いから捨てないこと」と話していたことを思い出しながら、鍋で6分間煮込みます。
煮立つ鍋の中でぐるぐると回るそば。
古谷さんのことを考えていました。
『百年先、我らの未だ見ぬ子孫にも郷土の自然を伝えましょう』っていうのが農場の理念なんだ。苦労も多いよ。でもね、どういうわけか、人に恵まれているんだ。困っていると、必ず誰かが手を差し伸べてくれたり、誰かと繋いでくれたり。
人生は、どれだけの人と出会えるか、どれだけの人と仲間になれるかっていうのが一番大切なことかも知れないね。
乾麺とは思えない豊かな風味。
なるほど、20把くらいまとめて買っていく人がいるというのも分かります。
そして、食べ終わった後の濃いそば湯も絶品。
古谷さんの情熱や思いが込められています。
そういえば---。
古谷さんは、出会った頃と変わらない、少年のような目をしていました。
まっすぐな視線の先に、どんな景色を見ているのかな。
素敵な生き方をしているな、と思いました。
今回は彦音色がお届けしました。
【古谷農産】
所在地 栃木県大田原市加治屋94 古谷農産
連絡先 TEL : 0287-23-3502 FAX : 0287-24-2396 メール : info@furuya-farm.com
ホームページ http://www.furuya-farm.com/
直接、農産物や加工品を購入することも出来ます。
《古谷さんの農産物、乾麺などの加工品が買える農産物直売所》
【道の駅与一の郷】
所在地 大田原市南金丸1584−6
連絡先 0287-23-8641
URL http://www.nasuno-yoichi.jp/
休館日 1月、2月及び12月の毎週月曜日 (祝日の場合はその翌日)
年末年始の休館1/1~1/3
※3月~11月までは無休
※12月の定休日 3日(月)・10日(月)・17日(月)
【きらり佐久山農産物直売所】
所在地 大田原市佐久山2554-1
連絡先0287-28-1290
営業時間 通常08:00~18:00 12月~3月 08:00~17:00
定休日 無休 1/1~1/3 休み
URL http://kirari-sakuyama.com/shop/shop.html
【天然わら納豆 ふくふく 直営店】
所在地 那須郡那須町高久甲2888-465
連絡先 Tel 0287-62-500
営業時間 9:30~18:00
《追記》
古谷農産では、炒り豆も販売しています。甘みを保った炒り豆を加工してくれる企業を探すのに相当苦労されたようですが、自慢の一品です。
※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。