小さな頃、りんご狩りに連れて行ってもらった記憶があります。
どこだったか、誰と行ったか全然覚えていないのですが、りんご畑の情景は、今でもはっきり思い出せます。
青の混じった緑の葉っぱ。
枝が折れてしまいそうなくらい、たわわに実る真っ赤な果実。
どうしてあんなに細い枝に、こんなに大きな実が成るのかな。
畑の中はとても静かで、絵本の中の別の世界に入り込んだような気持ちがしました。
長い年月で記憶は美化されているのでしょうが、りんご畑の持つ独特な、不思議な雰囲気が、とても気に入っています。
宇都宮市篠井の「荒牧りんご園」を尋ねました。
日光街道を入るとすぐ、たくさんのりんご樹が出迎えてくれます。
お店で試食をさせてもらい、田川を歩いて渡り、いよいよりんご畑の中へ。
子どものころの不思議な気分が甦ります。
お尻が黄色くて、表面がざらざらしているのが美味しいよ。
農園の方が教えてくれました。
袋一杯にりんごを詰めてお店に戻ると、荒牧さんが話してくれました。
「昭和20年代かな。篠井集落のある人が福島を訪れた折に、そこでとれたりんごの味に感激して、苗木を持ち帰って植えたのが始まりなんだ。うちでもその数年後に栽培を始めた。きっと土地に合っていたんだね。篠井はりんごの産地になったんだよ」
じゃあ、もう60年くらいになるんですね。
「あまり美味しいものが無かった時代に、りんごでみんなを喜ばせたいという気持ちだったんだろうね」
家に帰って、早速「ふじ」を剥いてみました。
たっぷり蜜の入った、様々な想いを引き継いだりんご。
甘酸っぱくて、幸せな味がしました。
【荒牧りんご園】
所在地 栃木県宇都宮市石那田町416
連絡先 TEL 028-669-2528
URL http://www.kanjuku100.com/
※篠井地域には、他にもたくさんの観光りんご園があります。
篠井地区豊かなまちづくり協議会(りんご園マップあり)
URL http://shinoiweb.kuron.jp/index.php?TokusanPage
※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。